FAQ・その他情報
2024.3.29
構内PHS は工場でまだ使われていますか?
Q:構内PHS は工場でまだ使われていますか?
A:構内PHSは現在も工場や大規模病院の基幹通話インフラとして使われています。
最近は半導体工場の設備投資が多く、弊社通報装置もご採用頂くのですが、
弊社の受注分は昨年(2023年)も全て内線PHSショートメールの仕様で納入しております。
新規設立の半導体メーカー(熊本、北海道)の内線電話環境までは知りません。
半導体工場以外に自動車関連工場も構内PHS利用の工場は多い傾向です。
現行の構内PHSシステムは全メーカとも改訂電波法(新スプリアス)もクリアしていますから
構内PHSはまだまだ20年以上は続くと予想しています。
構内PHSを使う理由は、単に従来から使い続けているからと思いますが、
PHSをスマホに簡単に置き換えられない事情もあります。
・現場で作業しながら片手で素早く端末操作(着呼/切断)できない
・内線でリアルタイム・ショートメール送信ができない
・頻繁に使用すると電池が1日持たない
・カメラ付きスマホ端末は機密エリアの製造ラインやサーバ室に持ち込めない
・工場のWiFi回線が既にデータ通信で満杯で、内線スマホは通話品質が悪い
逆に工場に公衆スマホを導入するとスマホ数千回線分の月額基本料金が経費を圧迫
内線4G(sXGP)は中国製の通信規格&製品供給のため米国からリスク懸念
・・・構内PHSより条件のよい内線通信がない
・クリーンスーツにはポケットがないのでスマホ端末は大きくて特に邪魔
・人気のiPhoneは価格がPHS端末の3~4倍高い
(安い中国製スマホは大手企業の内線では使わない:バックドア問題)
交換機メーカ各社も構内PHS交換機の事業は継続しています。新製品も出ています。
(NEC、OKI、日立、岩通、日立国際、パナソニック、三菱電機 様略)
富士通だけは以前から構内PHSから内線スマホシステムへの置換えを積極的にされていましたので、
FCNT社解散で自社スマホ事業撤退により、構内PHSを継続されるかは分かりません。
<余談:内線スマホはどうなった?>
内線スマホシステムは15年前頃は非常に話題になっていましたが、
iPhoneが発売されてから国産スマホ端末は全滅に追い込まれ、
本来はPHS端末より高額な自社製スマホ端末で「構内PHSを内線スマホシステムに置換える」
はずであった交換機メーカの事業戦略がiPhone出現によって大幅に見直しになったと思われます。
内線スマホを導入する際に、iPhone端末を値引きで安く購入するため短期のキャリヤの契約をすると
今度はキャリヤが公衆解約されまいとFMC(バーチャル交換機サービス)で営業攻勢をかけて、
FMCに切り替わる事例も多く、交換機メーカにとっては内線スマホシステムを売り込むと
リスクになる場合が増えたと思います。
最近はキャリヤから交換機メーカや電設会社へFMCの代理店委託される例もあります。
なお、企業の営業拠点や本社機構は、公衆スマホを利用したキャリヤのFMC(バーチャル交換機)が
かなり普及しています。(外出先からも内線転送電話できたり、通話料金が定額だったり)
よって、内線完結型のスマホ電話交換機システムは日本では定着しないと思います。
現状ではユーザ工場様にとっても、交換機メーカ様にとっても、内線通話は構内PHSを継続するのが
最もお得と思います。